発表会

　発表会があった。妙に開き直っている自分がいた。最後の伴奏合わせも無難に終え、控え室でしばらく吹いていたら、またもや楽器の調子が怪しくなってきた。そういえば、伴奏合わせの時に、楽器が「振動する」を越えて、「震えている」状態になったなあと思い出す。その状態になった後に、音が出なくなるのだ。どうやら、温度や湿度の変化についていけないタンポがあるようなのだ。対処法としては、吹くのをやめて落ち着かせるしかない。その時には発表会も始まっていたので、他の人のを聞かないと失礼だし、プログラムの初めの頃は、聴衆が少ないのではないかと思い、楽器を休ませることと気分転換を兼ねて、会場へ足を運んだ。
　想像通り聴衆が少なかった。出入りのし易い席に座って、しばらく聞いていた。知らない小曲が結構あり、「これは、ちょっとした時に使えるかも」などと考えながら聞いていた。数年前と比べると、はらはらドキドキして「がんばれー、がんばれー」とエールを送りたくなるような演奏が減ったように感じた。皆それぞれ上達している一方、発表会に参加するメンバーが、かなり固定されている可能性もある。
　打上げ時に講評を頂けるのだが、今回は大変誉められた。格段の進歩とのこと。そ、そっかな？周りを気にせず、やるべきことを果たすことが、何となく掴めてきたように思うので、それが評価されたのかもしれない。