ねこの日々 - ブログ版

趣味のフルートのことや愛猫のことを、たま〜に呟きます。

続・見る人にやさしいプレゼン資料とは

猫髷さんからコメントを頂いたことがきっかけで、「 見る人にやさしいプレゼン資料とは」の続きを書いてみます。今回は資料だけではなく、プレゼンでの動作についても触れてみます。

まずは前回の補足

のんさんは、「機材と会場の明るさが分からないときには、背景色が濃いものと薄いものの2種類を作っていくことがある」とのこと。さすが、用意周到ですね。発表直前に手直ししていることもあるとのことですが、これは直接PCから投影できるようになったことによる恩恵ですね。トラペシートでは、かなり難しいです・・・。

フォント

前回は、フォントサイズについては書いたけれど、フォントそのものについては触れていなかったので、フォントについて。のんさんが、明朝を使ったスライドは読みづらいと書かれているけれど、私もそう思います。


各文字というかフォントの持つスペースを最大限に使っているのはゴシック体の系列のフォントだと感じます。そこで、プレゼン資料では、日本語フォントにゴシックを選択することが多いです。しかし、英数字(特に英字)についてゴシックを使用すると、見た目が今ひとつに感じることが多いので、Times系列を好んで使用します。Century(これは窓に特化されたフォントですか?)も使用しているかな。ああ、Times系って日本語での明朝体に似たタイプのフォントだから、これも嫌がられてしまうのでしょうか。どうしても日本語で明朝体を使いたい場合は、フォントサイズを大きくしないとキツイかなと思います。

プレゼン中の動作

猫髷さんから頂いたコメントにもありましたが、ポインタをうろうろと細かく動かされると、見ているのが辛いです。「ねこじゃらし」ではないのだから*1。スクリーンにある文章を「読んで」いる時に、文章を逐一ポインタでなぞらなくても、どの行かを指してくれるだけで十分なのに・・・と思うこともあります。あとは、レーザーをONにしたまま、何気なく手を動かされるのも辛いです。自分が出している光の先にも、少しは気を払いましょうよ、と思ってしまいます。

壁のようなスクリーンでレーザーポインタを使っている場合だったら、これだけで済むのだけれど、可動式の布スクリーン(宙に浮かんでいるような余り固定されないもの)で棒状のポインタを使用された場合は、更なる悲劇が待っています。棒状のものを持つと、なぜかスクリーンをバシバシ叩く人が増えるのです。叩く先が、その宙に浮かんでいるようなスクリーンの場合、スクリーンが揺れて揺れて、目が回ってしまいます。スクリーンの布の投影面がザラザラしていることが多いようなのですが、布にポインタの先を当てたまま引きずるように移動されると、なんとも厭な音が立ちますね。視覚はおろか聴覚にまで不快感があると、申し訳ないけれど早くそのプレゼン終わって、という気分になってしまいます。


「内容が勝負だ」というのは正論ですが、出てくるプレゼンが、不快感に耐えてもなお見よう聞こうと思う内容であるとは限らないし、あからさまに言ってしまえば、不快なものは不快なのです。内容が良くても、不快感のせいでプレゼンの意図が十分に伝わらなくなることも考えられるし、不快感しか記憶に残らない可能性もあります。見る人にやさしいプレゼンは、結果的に発表する自分にもやさしいプレゼンであると言えると思います。

(余談)学生時代に学んだこと

学部4年次の必須授業に、題目は忘れたけれど、英論文を一つ読んでその内容を皆の前で発表するというものがありました。研究室に配属されて最初に取り掛かる課題でした。


その授業で何を教えるのかは各研究室の先生次第となるのですが、私の所属した部屋の先生は、発表のマナーについてのチェックが、他の先生よりも厳しかったように思います。


いわく、

  • スクリーンを揺らさない(棒状のポインタは「寸止めで」示しなさい)
  • スクリーンから音を立てない(棒状のポインタを引きずらない)
  • 空白の画面を作らない(何か情報を出しておきなさい)


見る人が不快にならないように気を配りなさい、見る人が興味を持てるように常に情報を与えなさい、といったことを、部屋での予聴会の度に説かれていました。見やすいトラペシートを作成すること、分かり易いたとえや比較対照を用いて説明することは大前提です。出来ていなければ容赦なく指摘が入りました。


当時は、こんな授業をしなくてもいいんじゃないかなーと思っていたけれど、学生時代に受けた授業の中で現在もっとも実地で役に立っていると確信している授業です。さらに、その授業の締めとなる発表の会で、自分の所属する部屋でのタブー山盛りの発表が沢山あって驚いたことを思い起こすと、恩師だったからこその指導だったのだと、今は大変感謝しています。

*1:ねこ○まの猫をレーザーポインタでじゃらした経験有