ねこの日々 - ブログ版

趣味のフルートのことや愛猫のことを、たま〜に呟きます。

ライモンダ第1幕より夢の場/カルミナ・ブラーナ

2005/2006シーズンで初めて観るバレエ。久しぶりに新国立劇場へ向かった。本日のプログラムは、ライモンダ第1幕より夢の場を30分、30分の休憩を挟んでカルミナ・ブラーナを1時間。いつもは1回1話なので、複数を一度に観るのは初体験。


およそ1年前に吉田都さんがプリマのライモンダを観ている。本日のプリマは宮内真理子さん。今回は抜粋で、翌日に十字軍の遠征から恋人が戻るという晩に、主人公のライモンダが見た恋人が戻ってくる夢を表現している場だった。場の間中、久しぶりの逢瀬を喜ぶ様が表現されている。照明は水の底のようなニンフの出てきそうな青色だったりエメラルドグリーンだったりで、それが決して現実ではないことが感じられた。私はそれを、なんとなく冷めた目で見ていた。


しかし、夢から覚めたというところで、その夢を見られたことをとても喜んでいる、そしてこれから恋人が帰ってくることを大変に喜んでいるライモンダの様子を見て、不覚にも涙を流しそうになってしまった。自分にとっても大変に予想外な自分の反応で驚いてしまった。とても距離があるのに、その笑顔が本当に嬉しくて幸せそうに見えたのだ。周囲の雰囲気も、現実味を帯びた幸せな柔らかさを持ったものになっていた。舞台にいるのはライモンダただ一人なのに、どうしてそこまでガラリと変えられるのだろう。


30分の休憩を挟み、カルミナ・ブラーナ。これはモダンバレエに分類されるのだろうか。服装もチュチュを着ているわけではなく、大変に刺激の強いものだった。神学生の妄想?が色々と表現されていて、時々ぞっとすることもあった。私はクリスチャンではないけれど、クロスをイメージした大道具を見た時、ものすごい恐怖を感じた。その理由は今も分からないけれど、とてもとても怖かった。もう一度この舞台を観たいかと問われると即答できない。今一度色々と知識を仕入れて、色々と考えながら詳しく見たいという気持ちもあるし、刺激が強すぎてしばらくお腹一杯という気持ちもある。


カルミナ・ブラーナソリスト3名のいる合唱つきの曲だ。今回の一番の関心は合唱団とソリスト達がどこに配置されるのだろうということだった。そこで、休憩時間にオーケストラピットを見に行くと、ピットの中に合唱用のスペースが作られていた。普段よりも弦、特にバイオリンの人数が少なかったけれど、それでも少々ギュウギュウ詰めという感じだったし、合唱の人たちもかなりの固まりとなっていた。


それにしても生で聞いたカルミナは迫力があった。この曲は吹奏楽用にもアレンジされているけれど、この迫力は人の声だから出せるのだろうなと思わざるをえない迫力。数の集まった声の持つ力は、本当にすごい。


そういえば、カルミナ・ブラーナについて余り知らない。CDを持っているけれど、殆ど聞いていないに等しい。いつもは知識をある程度仕入れてから観るのだけれど、今回はそれもしないままの観劇となった。感性で観るということを余りしていなかったなあと反省。観ながら自分がものすごく混乱していることに気付いた。絡まることなく受け入れられる素直な感受性が欲しいなあ。