ねこの日々 - ブログ版

趣味のフルートのことや愛猫のことを、たま〜に呟きます。

だから書く

文字だからこそ言えるということはあると思う。私は話すのは苦手だけれど、書くことは比較的安心してできる。


口から出た言葉は、出た瞬間から取り戻すことが出来なくなるから。「そんなつもりで言ったわけではないのに」不適切な言葉を使ってしまうことがとても恐いから。だから口篭もってしまう。頭の中ではぐるぐると考えているけれど、いつしかそれらは絡まってしまう。すらすらと整理されて適切な言葉で文章が出てこないものかといつも嘆息する。


書くことでも話すことと同様のことが無いわけではないけれど、しかし少なくとも書いたことを誰かの目に触れる前に自分で何度も見直せる。自分の言葉を出した後に見直せるのって素晴らしい。だから同じトピックでも、話すのは恐くても、書くことだったら出来ることもある。


しかし話す時は目の前にいる誰かの表情がわかる。相手も私の表情を読み取ることができる。「おはよう」一つでも、顔で、声音で、自分の気持ちを伝えることができる。それらが一切排除された「文字」は「おはよう」の表情一つでも、相手の気持ちにかかってしまう。自分の気持ちが正確に伝わるかどうかが分からないところが難しい。それでも事前に自分であれこれ検討できる安心感は捨て難い。


こんな当たり前のことだけれど、だから私は書くのだ。話すことのできるタイプだったら、今ごろこうして書いていないかもしれない。