くるみ割り人形
新国立劇場でバレエくるみ割り人形を観てきた。これで3回目か4回目か。クリスマスの時期の楽しみとなりつつある。
今回は、第1幕と第2幕をパーティから人々が帰るシーンを幕前でやり、その後夢の世界に入ることで繋げていた。これまでは休憩できっちりと間をあけた3幕仕立てだったのだが。
うーん、残念ながら、いくつか不満がある。
まずは、第1、2幕だが、曲が速すぎた。あれではダンサーが大変だ。あのテンポは演奏だけを聴く場合のテンポであって、踊るためのテンポでは無いと思う。一緒に観た友人達も同じ感想を持っていた。あんなにテンポ速くおじいさんが踊ったら、そりゃ体調を崩すわよ*1と、観ながら思わず心の中で突込みをしてしまった。また、くるみ割り観劇での私の楽しみの一つはパーティに出て来る人形達なのだ。「おお、機械仕掛けの人形だ!」と感動することを楽しみにしていたのに・・・今回は速いテンポに合わせるために、どうしても人間的な動きが入ってしまい、人形らしさが欠けてしまっているように見えた。楽しみが一つ奪われてしまって悲しい。第3幕ではテンポについては特に感じなかったけれど、慣れてしまっただけなのかもしれない。
あともう一つ。これまでの3幕仕立てでは、第1幕は、ばあやに促されてマーシャがベッドに入り眠りにつくシーンで終わる*2。個人的にはこれは大切なシーンだと思っている。第2幕が夢の話であることを示唆するからだ。今回ここが略され、パーティに来た人々が帰って幕が開いたら、夢の世界になってしまった。これは少々戸惑ったし、くるみ割り人形ってどんな話だったっけ?と一瞬考えてしまったほどだ。第3幕の(というか話の)終わりではちゃんとベッドから起き上がるシーンで終わったけれど、ちょっと唐突に感じた。
あとは全体にダンサーの動きが硬いように感じた。王子以外は腕がカチコチに見えた。そういう風に作られていたのだろうか。
ということで、なんとなく残念さの方が打ち勝ってしまった観劇となってしまった。
それにしても
散々威張って暴れているねずみの王様が、小さなスリッパをマーシャに投げられただけでやられてしまうのは、毎回笑ってしまう。