男性より長時間働く必要があった

　とある誌上で、仏COMEX NUCLEAIRE社のムイヨ社長のインタビューを読んだ。COMEX NUCLEAIRE社は保全サービスや廃炉事業を手がけている会社だ。ムイヨ氏は女性。

　「これまでで一番大きな苦労はどのようなものか」という問いに「自分が原子力分野でキャリアを積み始めたころには、原子力分野に女性はわずかしかいませんでした。当時は、女性の能力を正当に評価してもらうのが非常に難しかった時代でした。自分の能力を証明し、クライアントから信頼を得るために、とても苦労しました」と答えていた。

　続く問いの「そのために、男性より長時間働く必要がありましたか。」に対しては「はい。具体的には知識をよりたくさん持つこと、いろいろな懸案事項に対する知識をしっかりと身につけること、そして原子力分野における専門知識を身につけることを、男性よりたくさんやっていかなくてはなりませんでした。相当な努力が必要でした。でも、そういったことを続けるうちに、能力がグッと身についてきました」との回答。

　どの国にいるかなんて関係なく、そうやって努力されているんだなあと感じ入ってしまった。だから、上記インタビューの部分をここにメモしておきたくて、これを書いた。

　努力しなければ。成果がなかなか見えないとしても、努力が裏切られることもないだろう（と信じたい）。女性であるというだけで、信頼されていないのではと感じることもまだ多いし、信頼を得るには自分の持つあれこれを相手の目の前に突きつけることでしか方法がないし。ある意味、男性よりも男性らしくあれこれやらなければならないんだなあ。同時にいわゆる「女性らしいこと」もこなす場面もあるのだから、まったくもって忙しいことよ。

　でも、やってやる。日頃は不満に思うことも多いけれど、どちらかに偏れば、手薄な方に何か言われることになるかもしれないから。

　とにかくまず何よりも、クライアントから信頼を得られるように、色んな知識を身に付けなければ。まだまだ努力が足りない。