唄を忘れたカナリヤは
唄を忘れたカナリヤは、山に棄てましょかとか、小藪に埋けましょかとか、鞭でぶちましょかとか言われちゃう。
声が出なくなってもがいている間に、声の出し方が分からなくなってしまったカナリヤは、どうされちゃうんでしょう……。どうされるも何も、鳥の価値も既に無し、ですよねぇ。カナリヤじゃ喰えないしなあ。
好きで楽しくやってきたはずのことなのに、いつから涙を流しながらやる辛いものに変わってしまったのだろう。
それなのに、どうして未だにやっているのだろう。
自問すれど答えは出ず。諦め悪く惰性でやってるだけなのかなあ。
辛いものは辛いのだ。死ねるものなら今すぐそうしたいと思うほど辛いのだ。なのに、死ぬ勇気もないのだ。
結局、中途半端でダメなだけじゃんねぇ。
そうだよ。死ねるなら、その前に楽器を売っぱらってるだろうしね。