三つ子の魂?
ピアノの森15巻の限定版についていた、アシュケナージ演奏のショパンを繰り返し聴いていたのだが、どうにも落ち着かなくなってCD棚を探り、一つのCDを取り出した。
これは私が初めて購入したCD。
ホロヴィッツによるショパン。
かつて、ようやっと購入したCDラジカセでかけるために選んだものだった。
ある日、ラジオから流れてきたピアノの音に耳を奪われた。言いようのない衝撃を受けて、固まって聴いた。それが、ホロヴィッツのショパンだった。この時の衝撃は強烈だったようで、それ以来、ホロヴィッツ=ショパンは私の中で固定したものとなっていた。その音を手元に置きたくて、初購入のCDとして選んだのだった。
アシュケナージの、やわらかな風が時折舞い込むような演奏は素敵だ。カイの演奏もきっとこのように、木々の葉の間を通ってきたやわらかな風が吹いていることだろう。
しかし、私にとっての演奏されているショパンの原点は、ガラスのピアノを弾いているような、キラキラとしたガラス玉が転がるようなホロヴィッツの音のようだ――と気づいたのだった。
とはいえ、さまざまな音も知らなければねと、考えているこの頃。