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ねこの日々 - ブログ版

趣味のフルートのことや愛猫のことを、たま〜に呟きます。

発表会

flute

先日、フルート教室の発表会に参加しました。曲目はムーケ作曲「フルートとピアノのための5つの小品」でした。5曲合計で7分半程度の、小説で言えばショートショート集みたいな曲です。長い時間吹きっぱなしなものが苦手な私には、曲間のインターバルが大変ありがたいのです。速度の緩急、曲想は5曲様々で、特に技術的に苦手なタイプの曲も含まれていますが、それはチャレンジするという心積もりでした。その苦手な曲は、本当に自分の苦手な事柄が満載でしたが、いつかは練習しなければならないんだしと思ったのです。選曲では、師匠命令により自分で5曲ほど候補を挙げて相談したのですが、5曲の中では一番マシながらも、それでも少々渋い顔をされながら決まったものでした。師匠としてはこの「5つの小品」の中の5曲目の不安が大きかったのだろうと想像しています。この5曲目が私の苦手てんこ盛りな曲です。まだまだ私の演奏状態も精神状態も不安なので、吹けないことでまたしても私が追い込まれて、精神的に不安定になることを恐れていた・・・ありがたいことですが・・・のではないかと想像しています。レッスン中に涙を流してしまうことも、発表会で失敗して落ち込んだ状態をひきずるのも、双方にとって避けたい状態ではあります。その不安は私自身も抱えてはいましたが、しかし、これを提案したのです。この想いを口には出しませんでしたけれど、この状態をいつまでも引きずってはいたくなかったのです。とはいえ、少々不穏な幕開けだったことは確かです。


ということで、自分で決めたのだから、誰かに多大な迷惑をかけることはすまいと心に決めました。まず、大きく迷惑をかけてしまうのは、日ごろレッスンしてくださる師匠です。最近は大丈夫にはなっていたのですが、レッスン中に涙を出すのは絶対にやめようと思いました。レッスン中にうまくいかなかった時は、「あはは」と笑うことにしました。笑ってごまかしているようですが、ひとまずこうして気を紛らわせることにしました。「おっかしいなあ」とか「ちっくしょー」とか軽く言って、そういう時の私は、まるで猫が恥ずかしさを紛らわせるために身体を舐めるかのようでした。
そもそも私は、楽器を持つためにレッスンへ行っている、要はレッスンの時しか楽器を持たない不良生徒なのです。これでは出来なくて当然です。まずはここを正しく認識しておく必要があります。都合よく言い換えると、練習時に必ず先生がいるのです!自分の勝手な解釈でさまよう危険性が減ります。なんて素晴らしいことでしょう!


発表会へ向けたレッスンの開始は、本番までのレッスン回数を数えて決めました。最初は、1回のレッスンで1曲とか2曲とかを、恥ずかしいことに曲の解析を教わるところから始まりました。そうやって積み重ねていって、やっぱり苦手な曲はいつでもそこそこに演奏できるような状態にはならないままでした。それでも、レッスン中ではそれなりに何とかなることもあって、自分でも少しは進歩を感じることもありました。


リハーサルでは、ステージに立っただけで身体中が震えてしまって困り果てました。しかし、本番は吹っ切れたのか、「とにかくやってやる」という気持ちだけで、無駄な緊張もせず、身体の震えもなく、かなりの集中力を持って演奏できたのは、これまでの自分の経験でもなかなかなかったことで、やれば出来るんじゃないかと密かに自画自賛してしまいました。


結局、本番ではその苦手な曲は失敗して、先生方の失笑を買ってしまったのですが、自分で仕掛けておいた録音を聞いてみると、吹きながら感じたほどにはひどくはありませんでした。曲に関しては、他にも心残りがありますが、次にこの曲を演奏する機会があったらまた頑張ってみようと前向きに思えるものにはなりました。この練習中に思考の方向性を改める機会もあり、また時々吐く弱音を受け止めて優しく背中を押してくださる方々の心遣いが追い風になり、ここまで来ることができました。


今回もっとも嬉しかったことは、この私の取り組みぶりを師匠が評価してくださったことでした。感無量とはこのこと。ありがたいことです。
これを糧に、また次に向かってがんばります。