ねこの日々 - ブログ版

趣味のフルートのことや愛猫のことを、たま〜に呟きます。

アルフレッド・リード氏逝去

9月17日アルフレッド・リード氏が逝去された。享年84歳とのこと
その日にさかのぼってエントリーしようかとも思ったが、情報を得た本日にエントリーすることとした。


「リード」といえば、吹奏楽をやっている者で知らない者はいないほど、数多くの吹奏楽のための曲を作られてきた。私達は、親しみと尊敬をこめて「リード」と呼ぶ。吹奏楽をやったことの無い人でも、もしかしたら、聞こえてくる学校の吹奏楽部の練習で小耳に挟んでいて、リード氏の曲をいくつか聞くと「あ、なんか、聞いたことがある」と思う曲もあるのではないだろうか。


私が本格的に吹奏楽を始めたのはおよそ10年前の学生時代だったので、その頃は一時期のリード氏の曲のブームが去っていたように思うし、リード氏の曲を好んで取り上げる世代からも外れてはいたけれど、それでも学生時代以降、氏の曲は何曲か演奏したことがある。そのたびに、木管の譜面は黒いことも多いけれど、トリッキーな音の並びがないことが、いつ見ても新鮮であった。と同時に、「魅了して聴かせることのできる」曲とするためには、音の質を始めとする、基本的でいつまでも追求のやまない技術を持つこととそれらの大切さを痛感させられる機会でもあった。


と書いていて、中学生の頃に「アルヴァマー序曲」をやったのを思い出した。2年間中学の吹奏楽部に所属している間に唯一演奏した氏の曲だ。当時多かったタイプの吹奏楽の曲とは異なり、氏の曲ほど演奏意欲をかきたてるものはなかった。「かっこいい曲だな」と感じるその殆どが氏の曲であったし、氏の曲が大変にはやり、好まれて演奏されていたように思う。私の母校は田舎の学校で部員数の少なかったこともあって、演奏する曲といえば、(オトナにとっての)懐メロだったり、TVアニメやJ-POPが殆どで、そのようなジャンルから外れた、いわゆる「曲」と感じさせる曲を演奏することが少なかった。また、そのような曲でも、中学生だった私達を、わくわくさせるような曲はまだまだ少なかった。吹奏楽は音楽の低レベル異端児的な扱いを受けていた頃だったこともあり、吹奏楽用の曲が大変に少なかったこともある。その中で、氏の曲にある魅力的なメロディーは新鮮で、聞いているとわくわくして「吹きたい!」と思わせたのだ。
当時の私(達)には、まだまだ難しい曲ではあったけれど、練習がとても楽しかったことしか覚えていない。そうそう、楽器の数が不足していて、「アルヴァマー序曲」では指定のないピッコロで少し手を入れたフルートの譜面を吹いたことが懐かしい。


高校時代は、周りの話によれば氏の曲を好んで取り上げていく世代のようだったが、あいにくその頃、私は音楽をやっていなかった。この頃に吹奏楽をやっていたら、もっと多くの氏の曲を演奏できただろうという点においては、今でも後悔が少し残るのだ。


学生時代に「ハムレット*1」を取り上げた時、先輩達が、その曲のどの部分で「ハムレットが死んだのか」という話題で盛り上がっているのを聞いて、そのような想像をしながら曲を解釈したり分析したりする方法があることを知った。そのように想像する楽しさを知った。

その後も、時々ある演奏の機会のたびに、原点に戻った気分になっていた。氏の曲がなければ、今の吹奏楽はなかったと言っても過言ではないと思う。

機会があれば、まだ演奏したことのない曲をこれからもやりたいと思う。新曲を期待できなくなったことが大変に残念ではあるが、これまでの数多くの曲に感謝するとともに、安らかに眠って欲しいと願う。



(訂正:2007.06.21)上で挙げた「アルヴァマー序曲」は、アルフレッド・リードではなく、「ジェームス・バーンズ」の作品でした。ずっと、リードだと信じて疑っていませんでした・・・ orz バーンズもリードと並ぶ作曲家です。
ここに訂正いたします。