ねこの日々 - ブログ版

趣味のフルートのことや愛猫のことを、たま〜に呟きます。

利き手に関するあれこれ

 小町さんの「左利きのストレス」を読んで思い浮かんだことをつらつらと。


 現在、左利きの人がもっとも困るのは、刃物ではないだろうかと思う。向きの存在が必要だからだ。子供の頃隣に住んでいた子に左利きの子がいたのだけれど、その子のお母さんが「左利き用のはさみは(値段が)高い」と嘆いていた。田舎ゆえ購入先も限られる。だからはさみで苦労しないように、その子には、はさみを右手で練習させていたのだそうだ。同級生にも左利きの人はいたけれど、字は右手とか、箸は右手とか、何かしらは入学前に矯正されている人ばかりだった。右利きの私には「左利き、すごいなー、かっこいいなー」くらいだったのだけれど。でも世の中は右利き向けに作られている。これを「右利き思想」と名づけてみる。

 意外に右利き思想なのがパソコン関係だ。私は、絵を描くような細かで繊細な作業でなければ、どちらの手でもストレス無くマウスを操作できる(もっとも左手の操作性は右手と比べると少々劣るけれども)。左手で使う時のマウスの設定は右手用のままだ。ちなみに職場では右手でマウス、自宅では家族の希望で左手でマウス。とはいえ、家族も右利きだ。使い始めた頃に「マウスは左手」と仕込まれたそうだ。「マウスは左手」は、右利きビジネスマンの「受話器は左手」と同じ発想に基づいている。
 ではパソコン関係の何が右利き思想なのかというと、一つ目はアプリケーションのメニューのショートカットキーのデフォルト設定だ。概ね左手側のキーで設定されている。だから右手でマウスを操りつつ左手でショートカットキーを使ってパキパキと作業を進めることは出来るけれど、左手マウスでは(デフォルト設定のままでは)非常にやりづらい。だから、急いでいたり本気を出したりする時はマウスを右手に持ち替える。ちなみに職場でも左手マウスな家族は、ショートカットキーなど使わず、マウスでメニューを追いかけているようだ。私から見ると実にまどろっこしい。

 二つ目は、(Windowsにある*1)「ウィンドウの最小化、最大化、閉じる」のボタンの位置。もしかしたら私だけの感覚なのかもしれないが、マウス操作において、身体の中心から外側方向へ手首を回すような操作はしやすいが、身体の外側から中心へ手首を回すような操作は意外にやりづらいのだ。左手でマウスを使っていると、それらのボタンを押すためには身体の中心方向への操作となるので、意外にストレスなのだ。もっともこれは代替策があるから、結果として気にならないのだけれど。


 では「右利き思想」ではない分野はあるのか。たとえば、楽器には利き手は関係ないように思います。特注すれば左利き用バイオリンはあるそうですが(チャップリンが弾いていたそうです)、ソロ以外では弾けないでしょうし(オーケストラのバイオリンのような集団では同一方向にあることが必要なので。ある意味右利き思想なのかも知れませんが、利き手による極端な差は出ないようにも感じます)。また弓使いと指使いとそれぞれの難しさがあるように思うので、利き手は関係ないのではないかしら。何より本気でやる子は幼少の頃からレッスンを開始している人が多いので、そういうものだと適応しているようにも思います。ピアノも、はじめは右手にメロディが来るけれど、そのうち左手もメロディを受け持つ曲も出ますし、結果として両手共に同じことが出来なければなりません。私もかつてピアノを習っていた頃、右手と比べて圧倒的に力の弱かった左手について先生から「今はいいけど(後で苦労する)」と言われ、実際少々苦労したクチです。右利きなりの苦労もあるということで。


 ところで、以前から「私って人と違う?」と思っていたことがあるのですが、右利きの方は、マグカップのようなカップ類を右手で持つのでしょうか?私は左手なのです。だから一方向に図柄の入ったカップは、相手に見える方向に図柄が入っているのだと思っていました。私が左手で持つ発想は「受話器は左手」に同じですが・・・。もちろん、右手でも持てますよ。でも目の前に置かれたらまず左手が出ます。お店で飲み物を頼んだ時、店によっては右側に取っ手を向けてサーブしてくれますが、状況によって私はそれをくるっと半回転して左手側に直します。あ、受話器も左手です。

 あとは、細かな動きを要する作業を左手でやっていることが多いような気がします。右手は力仕事って感じかな。着替える時にボタンを留めるのは左手。こういうのは右利きの方々はどうなのでしょうか。

 もっとも字を書くのは圧倒的に右手に軍配があがるのですけれどもね。

*1:りんごは知りません