ねこの日々 - ブログ版

趣味のフルートのことや愛猫のことを、たま〜に呟きます。

Caplet / Reverie, Petite Valse

 かつて書いたCapletのReverieのイメージの続き。実はこの曲は、Petite Valseとセットになっている。Petite Valseのイメージについては、夏にある場所で練習していたのを聞いていた方から示唆を頂いたので、それをベースに改めてこの2曲について、あれこれと考えていた。

 Petite Valseについて頂いた示唆は、夢の中で(それは1曲目の夢の続きで)男女が踊っているのでは、この曲は想いあっている男女で演奏するのが良いのではないかというものだった。音域と動きとから私が受ける印象としては、ピアノが男性、フルートが女性で、曲名の通りピアノとフルートとで絡み合って踊っている。互いに応対し(それは主にピアノが様子を見ながら引っ張り切っ掛けを出し、それにフルートが応えるという感じだ)、見つめあい、軽やかに、くるくると……。

 しかし、1曲目のReverieの続きであるとすると、まるきり能天気に踊りを楽しんでいるという風に私は受け取れない。Reverieは短調の曲で、メロディからはどこかかなしみや諦めを感じられるのだが、その想いをどこかに抱えているような気がするのだ。

 Valseを男女による踊りと捉えるならば、Reverieでは、相手とのかなわぬ想い(片思いかも知れないし、相思相愛ながらも相手とは一緒にいられない事情があるのかもしれない)に沈んでいるような気がするのだ。そして、物思いの最後の最後で想う相手と踊ることで、その夢に決着をつけようとしているかのようだ。踊っている時は心の底から楽しんでいるけれど、Petite Valseのフルートの最後の動きは「なんてね」と言っているかのようで、その後にピアノが静かに打ち込んで音を伸ばして終わる。オシマイだよ、と言っているかのように。そこで、現実を静かに受け止めたかのように。

 どちらの曲も現実の世界ではないということを、どのように表したらいいんだろう。何にせよ、この曲と首っ引きでお付き合いするのもあとわずか。

曲の力はスゴイなあ

 この曲、師匠に出されるまで知らず、しかしそれは私が単に曲を知らなさ過ぎるからだと思っていたら、他にも知らないという人が意外にいたのだった。夏にこの曲を演奏(といってもほとんど練習だが)していたのを聞いていた何名かから、聞いたら自分でもやってみたくなったよとか、楽譜を買ってやってみるよといった声をかけていただいて、何だかとても嬉しかった。でも私が嬉しがってもしょうがないんだよなあ(苦笑)それだけの魅力のある曲であるということだ。2曲揃って録音されているものは余りなさそうなのだけれど、興味をもたれた方は是非聴いて欲しいと思う曲だ。