ねこの日々 - ブログ版

趣味のフルートのことや愛猫のことを、たま〜に呟きます。

家庭科の授業

 「中高に受けた授業で今役に立っている授業は何か」と問われれば、私は迷わず家庭科を挙げると思う。生活に関わるあれこれを系統だって教わる機会は当時の授業を除いて他に無いし、今見聞きして知るあれこれが身につくのは授業で得た知識があればこそだ。当時の知識をベースに今の生活を成り立たせているといっても過言ではない。

 中学時代の家庭科は実践(裁縫だの調理だの)がメインだったように思うし、理論よりも実践の記憶が強いのだけれども、高校時代のはもう少し掘り下げたものが多かったと思う。もちろん調理実習だの裁縫の実習(布地の選択から自分でやった)だのもやったけれど、それ以上に記憶に残っているのは、例えば婚姻に関わる憲法を読んで感想文を書かされたり、女性にかかる法律を学ぶというような、普段は余り意識しない部分で社会に目を向けるような授業があったことだ。そこで家庭科がより社会に密接した授業であることを痛感したのだ。受験には関係ない授業だから気が楽だったというのもあるけれど、より生活に密接している感覚があったからこそ、真剣に学べたと思うし。恐らく同じ理由から真剣に授業を受けている人達が多かったように思う。それは先生の力量だったのかもしれないけれども。

 私が高校生の頃に、家庭科の男女共修の案が浮上し、将来計画として決定し、現在実施されている。それについて男性の友人は「なんで男が家庭科なんてやらなければならないのだ」と反対していたけれど、私は大賛成だった。例えば、あなたは洋服の洗濯の指示方法を理解できる?、簡単でも調理できる?など問うと、そんなの知らなくても生活できると言われたけれど、それはそれで誤りではないけれど、そんなに自分の身の回りのことを人任せで良いの?とさらに問えば答えに窮していたように思う。高校生までの家庭科は自分の生活を、身を守る実学なのだと思う。進学の如何を問わず、高校を卒業したら実家から離れて生活する人も多いだろうから、家庭科はすぐ将来の自分の生活を守る知識を得られる貴重な授業だ。それをやらないのは、何の装備を持たせずに海や山に放り込むのと同じだと思う。