ねこの日々 - ブログ版

趣味のフルートのことや愛猫のことを、たま〜に呟きます。

ピアノ協奏曲第2番(ラフマニノフ)

前回の日記でこればかり聞いていると書いて、既にひと月以上が経ちました。あれからCDを取り出すこともなく、こればかりを流しています。ひと月ということで切りよく30日間、どんなに少なく見積もっても均すと3日で5回くらいは繰り返しているように思うので、50回は繰り返し聴いていることになります。多分楽章途中のイントロ・ドンでも大丈夫かもしれません。


この曲にこんなに私の心が固執する理由を探っていました。最近、なんとなく分かったような気がするのでメモします。
よく知られているこの曲の経緯を辿ります。この曲は「第2番」とありますので、もちろん、ラフマニノフによるピアノ協奏曲第1番もあります。ところがそれは大変な不評で、ラフマニノフは精神的にも病んでしまい、第2番がこの世に出たのは、第1番が出た10年後でした。その間、医師の治療を受けつつ、しばらくは携わることすらできなかった作曲活動を次第に始めて、念には念を入れた作曲でこの曲が誕生しました。ラフマニノフにとって、この医師の存在は大変かけがえの無いもので、この第2番は主治医に捧げられています。


3楽章構成のこの曲を1楽章から通して聴いているうちに、この曲がラフマニノフのその10年間の日記のように思えてきました。哀しみと苦しみに心がつぶされ乱れたかと思えば、とても穏やかな日々もあって、しかしその平穏な日もまた、悲しみと苦しみに覆いかぶさられてしまいます。心象の変化はあるもののそれを繰り返しつつ、次第に希望と喜びの気持ちが強くなり、最後はこの曲が完成した喜びで感涙しているように感じます。


私は多分、そんな日もあるよね、そんな時もあるよねと、毎日繰り返し聴きながら、心の支えにしているのかも知れません。すなわち、ラフマニノフの苦しみほどではないけれど、そんな日が私にも続いたひと月でした・・・現在進行形かも・・・ということかも知れません。