包丁を研ぐ

　一人暮らしを始めるときに購入し（てもらっ）た包丁を今も使っている。鋼で出来たものだから、時々砥石で研ぎながら10年以上使ってきた。無精者だからこれまでも小まめに研いでいたわけではないのだけれど、自分に言い訳しながら都合１年間ほど何もしていなかったのは、いくらなんでも不精過ぎた。切れ味が明らかに悪くなって、かすかにストレスを感じ始めたので、調理の合間に研ぐことにした。

　砥石を水に浸して調理開始。砥石に充分水が含まれたころ、調理に隙間が出来たので、そのタイミングで研いだ。私の持っている砥石は中砥と仕上げ砥の二層構造のもので、まずは中砥から。あまりに久しぶりなものだから、中々研げない。いつもよりも時間がかかる。見た目と指による刃先の感触で、いいかなと思ってから仕上げ砥にかける。

　久しぶりに見る光る刃先にわくわくしながら、トマトを輪切りにした。よしよし。